相続が発生した場合、相続人にはさまざまな手続きが必要です。相続手続きの流れは、大きく以下の8つに分けられます。それぞれの手続きと注意点について整理します。
1. 死亡届の提出
親族、親族以外の同居者、家主、地主、家屋もしくは土地の管理人、後見人、保佐人、補助人、任意後見人が死亡の事実を知った日から7日以内に「死亡地」、「死亡者の本籍地」、「届出人の所在地」の区役所・市町村役場のいずれかに死亡届を提出します。
2. 相続人の確定
相続人は、民法第896条に基づき、被相続人の配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹が相続人となります。相続人を確定するためには、戸籍謄本や住民票の取得が必要です。
また、被相続人と疎遠になっている場合や、海外にいる場合などは、取得が困難であったり、時間がかかる場合があります。
3. 相続財産の確定
相続財産には、現金や預貯金、不動産、有価証券、自動車、家具、衣類など、被相続人が所有していたすべての財産が含まれます。相続財産を確定するためには、相続財産調査が必要です。
相続財産調査は、被相続人が所有していたすべての財産を調査し、その内容や評価額を明らかにする作業です。相続財産の調査は、自分で行うことも可能ですが、専門家に依頼した方が確実です。
4. 単純承認・相続放棄・限定承認の選択
単純承認、相続放棄、限定承認は、相続人が被相続人の財産や債務をどのように承継するかを選択する制度です。選択を誤ると、思わぬ損害を被る可能性があるため、慎重に検討する必要があります。
・単純承認
単純承認をすると、被相続人のすべての財産や債務を承継することになります。
・相続放棄
相続放棄をすると、被相続人のすべての財産や債務を承継しないことになります。
・限定承認
限定承認をすると、相続したプラスの財産を限度に被相続人の債務を承継することになります。
5. 準確定申告
相続人が1月1日から死亡した日までの所得金額、税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に申告と納税をすることです。
6. 遺言の確認
被相続人が遺言を残していた場合は、遺言の内容に従って遺産分割を行います。遺言がなければ、相続人全員で遺産分割協議を行います。
7.相続税の申告・納税
相続税の申告が必要な人は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、相続税の申告・納税をする必要があります。相続税の申告・納税は、専門家に依頼することをおすすめします。
8. 各種財産承継名義変更手続き
遺言、または遺産分割協議終了後、各種財産承継名義変更手続きを行います。
まとめ
相続手続きには、期限が定められているものがあります。期限を過ぎると、手続きができなくなる場合や、不利益を被る場合がありますので、注意が必要です。
また、相続手続きは、複雑で専門的な知識や手続きが必要なものもあります。自分で行うのが難しい場合は、行政書士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
行政書士栗田法務事務所では、相続手続きに関するご相談を承っております。経験豊富な専門家が、お客様のご状況に合わせて、最適なサポートをご提供いたします。お気軽にご相談ください。