若い頃には、まったく気にもしなかったことが年齢を重ねるごとに気になってくることってありますよね。
健康診断の結果や年金のこと、定年が近づく頃になると退職金なんかも気になります。
そんな、年齢を重ねて気になることの一つに「相続対策」があります。
今回は気になる相続対策についてのおはなしです。
そもそも相続対策って何?
ネットで「相続対策」で検索すると、46,200,000件がヒットしました。しかし、驚くことに最初の数ページでは、ほとんどが「相続税対策」についてのサイトや記事です。
「相続対策」=「相続税対策」ということですかね。
実際にも、多くの人が「相続対策」=「相続税対策」のイメージをお持ちではないでしょうか。
そうなると、「我が家は相続税がかかるの?かからないの?」ということが一番気になることになってきます。
そして、相続税がかかりそうでなければ安心します。これで一件落着!?
実は、ここに落とし穴があるのです。実際には相続税の課税対象者は相続が発生した全体の約8.8%ですから90%以上の人は相続税とは無関係です。
ところが、以前「相続で悩むご家庭は遺産額とは無関係?」でご紹介したように、令和2年の「家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件のうち認容・調停成立件数」によると、相続税がかかりそうもない5000万円以下の資産で、揉めてしまって裁判所に持ち込まれた件数の割合は全体の77.64%になります。
相続税がかかりそうでないから安心ということではなさそうです。
相続対策とは
もちろん相続税対策も相続対策のひとつです。相続税がかかりそうであれば、少しでも税金がかからないようにする方法はいろいろあります。
不動産を所有しているのであれば、評価減の方法を考えたりします。生命保険を活用することもありですね。
判断能力が衰える時期がくることを想定して任意後見契約や、遺言書の作成を検討することもあります。
不動産活用、生命保険、任意後見、遺言書、生前贈与、家族信託・・・・・
言葉だけ並べると、たくさんあります。
でもこれ、それぞれが手段の一つであって、その人の環境や状況によって千差万別です。
木を見て森を見ずにならないように、環境や状況の全体を見渡すことから始めたいものです。
相続対策の目的とは
では、「相続対策」の目的は、何でしょうか。
それは、「円満な相続の承継」です。
そのために、全体を見渡すことが大切です。
まとめ
「相続対策」=「相続税対策」ではなく、まずは全体を見渡すことから始めましょう。
その上で、「円満な相続の承継」のために、家族みんなで向き合って話しをする機会があるといいですね。