様々な経験を積み重ね、多くの人と出会う中で、「あの時、こうだったんだ」と思い出話や経験談を語ることがあります。時には家族と。時には酒の席で友人と。時にはビジネスで自己紹介として。
しかし、経験を語るときにそれが「自慢話」として伝わってしまったら相手を不快にさせてしまうこともあります。
今回は、体験談と自慢話について考えてみました。
経験談と自慢話
経験談は、自分が育ってきた環境や経験の中で得た学びや教訓を、出来事とともに相手に伝え、共有していくものです。そこには、自分を知ってもらいたいと思う謙虚な気持ちと、自分の経験が相手に役立って欲しいとの気持ちがあります。相手を尊重し、共感を得られるような語り口になります。
自慢話は、自分の能力や功績を誇張して伝える話です。例えば、昔自分がいかに優秀だったかを語る上司、自慢げに高級ブランドの品物を身に着ける人、常に自分の話ばかりする人など。自慢話は自己満足や承認欲求を満たすための語り口と言えます。
経験談は、自分の人生や考え方を共有するために行われるのに対して、自慢話は自己アピールが主眼となりがちです。経験談は相手との共感や理解を深めるために用いられることが多いですが、自慢話は相手にマイナスの印象を与えてしまいます。
しかし、この体験談と自慢話は、紙一重のように感じます。
多くの人の前で自己紹介する場面や、お客様に自己紹介するときは、自分の歩んできた経験が相手にとって、どのように役立つのかをお伝えします。そのとき自慢話として伝わることのないように意識したいものです。
自慢話とは
自慢話は相手を下に見ているような印象を与え、嫌な気持ちにさせてしまいます。特に、自分が優位に立っていることを強調したり、相手の欠点に触れたりするような自慢話は、相手にとって非常に不快なものです。自己中心的で傲慢な印象を与え、信頼を失ってしまうことにもなります。
相手に役立ちたいという気持ちがあったとしても、常に自分のことばかり話をしたり、自分の功績ばかり話をしていると、不信感に繋がってしまうこともあるわけです。
だからこそ、体験談と自慢話の境目を意識して注意することが大切です。
経験談を効果的に伝えるために
せっかくの経験が自慢話にならないように、共感を得られる体験談として伝わるために、単に「〇〇だった」と伝えるよりも、具体的なエピソードを盛り込むことで、よりリアルに経験を伝えることができます。具体的にどのような場面で苦労したのか、どのような工夫をしたのかなどを詳細に話すことで、相手も共感しやすくなります。
その共感によって相手との共通点が見つかることもあり、親近感に繋がります。
経験談を伝えることは、自分のことを知ってもらう良い機会ですが、相手にとっては興味のない場合もあるわけですから、謙虚さも必要なのかも知れません。そして、自分の経験談が相手にとって少しでも参考になれたとしたら、うれしいものです。
そして、そこに自慢話が入り込まないことを意識したいです。
さいごに
自慢話を聞く側の立場だとしたら、「また始まったぞ~」と心の中で舌をだしながら、最後まで聞く寛容さも必要ですね。人は自慢したいものなのですから。
そんな自分も、気付けば飲み会の席で自慢話をしてあとから後悔することも・・・まだまだ未熟です。