「リスペクト」という言葉があります。
この言葉には、いろいろな意味があるようです。
最近、メディアなどで「○○をリスペクトします」と言うひともいます。
この言葉、私にとっては心の中の気持ちなので口に出すことはありません。
今回は、「リスペクトする気持ち」です。
リスペクトの意味
リスペクトを辞書で調べると、「尊敬すること。敬意を表すこと。価値を認めて心服すること。」とあります。その他、「尊重」なども見当たります。
一言にリスペクトと言っても、相手によって、場面によって、その意味するものは微妙に違うようです。
業務の中でのリスペクト
どのような仕事でも、一人で完結できることはまずありません。
映画制作では役者だけではなく、エンドロールに登場する実に多くの役割があって完成するわけです。
ひとつのプロジェクトがあるとき、そこには多くのひとがそれぞれの専門性を発揮し、それが相乗効果となって高レベルの結果を生み出すものです。
そして、その効果が最大限に発揮されるためには、それぞれの役割をリスペクトする気持ちが大切です。そこには上流も下流もありません。
私自身、業務の性質上、日々多くの方々と協業します。こちらから依頼することもあれば、依頼されることもあります。気心の知れたかたもいれば、初めてご一緒するかたもいます。範囲を広げれば、役所の窓口のかたも、金融機関の窓口のかたも、クライアントに対して業務の「質」を高めるためにリスペクトして接することを大切にしたいです。
ここでのリスペクトは、相手に「敬意を表すこと」「価値を認めて心服すること」でしょうか。コミュニケーションの場面で、この気持ちが心の中にあるだけで、伝わり方も接し方も違ってきます。
クライアントへのリスペクト
いろいろなお客様がいます。
年上のかた、年下のかた、同世代のかた
現役バリバリのかた、引退されたかた
職業、出身、家族、資産状況・・・
そのかたの歩んできた人生とその環境と家族にリスペクトします。ご相談の際は業務上かなり深くそのかたの想いをお聴きします。だからこそ、そのかたのそれまでの歩みを想像し、リスペクトする気持ちを持って接します。
ここでのリスペクトは、「尊敬すること」でしょうか。この気持ちが心の中にあるだけで、もっと知りたいという気持ちと信頼関係が深まります。
民法858条
突然、民法の条文です。この条文にある「尊重」は、今回のテーマの「リスペクトする気持ち」のひとつですのでご紹介します。
民法第858条(成年被後見人の意思の尊重及び身上の配慮)
成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるひとに対して、そのかたの意思を尊重しなければならないことを、民法で定めています。
どのようなときでも、「リスペクトする気持ち」大切ですね。
さいごに
リスペクトの反対の言葉で、「ディスリスペクト」があります。俗に言う、「ディスる」です。意味としては否定すること、けなすこと・・
我が家では時々晩酌時に夫婦でディスリスペクト大会がはじまりますが、これはお愛嬌・・・(笑)