時間を「かける」と「使う」の違い

仕事や日常の生活の中で、「もっと時間を上手に使えたら」と思うこともあれば、逆に、「こんなふうに時間をかけたからこそ、大切なものが見えた」と感じることもあります。
今回は、日々の中で感じる「時間の使い方」について考えてみました。

時間を「かける」ということ

学生時代を思い返すと、時間を「かける」ことにあまり迷いがなかったように思います。
好きなことに時間を忘れて打ち込んだり、友人と何時間もとりとめのない話を続けたり。
効率を考えるよりも、ただ「その時間を味わうこと」が自然にできていました。
家庭で過ごす日常の中にも、そんな時間はあります。暮れかけた公園で、子どもと何度もサッカーボールを追いかけながら、ただ一緒に走り回ることが嬉しかった時間。
時間をかけたからこそ生まれる表情や会話が、あとから振り返ると大切な思い出になっていたりします。

時間を「かける」とは、結果を急がず、過程そのものを大切にすることなのかもしれません。

時間を「使う」という意識

一方で、大人になるとどうしても「時間を使う」意識が強くなります。
限られた時間の中で、いかに効率よく、いかに多くのことをこなすか。
毎日のスケジュールに追われながら、「今日も時間を上手に使えたかな」と振り返ることが増えました。

もちろん、時間を意識して過ごすことはとても大切なことです。
家族との時間、自分の趣味にあてる時間、仕事に集中する時間。
メリハリをつけることで、生活にリズムが生まれ、心にも余裕が生まれます。

ただ、あまりに「使う」ことばかりを意識しすぎると、気がつかないうちに心が置き去りになってしまうこともあるかもしれません。

「かける」と「使う」のバランス

時間に対する向き合い方に、正解はないのかもしれません。
ただ、「かける」と「使う」、そのバランスを意識することは、自分の暮らしを見つめ直すきっかけになるように感じます。

たとえば、予定を詰め込むことなく、あえて余白を残しておく。
急がずにじっくり向き合う時間と、サッと切り替えて進める時間。
そのときどきで、自分にとっていちばん心地よい選び方をしていきたい。
そう思うようになりました。

学生時代の寄り道のように、意味があるかないかなんて考えず、ただ過ごす時間も、きっと人生には必要なのだと思います。

仕事を通じて気づくこと

普段、行政書士として相続や遺言に関するご相談をお受けしていると、時間に関する気づきがいくつもあります。

たとえば、遺言書を作るために相談に来られた方は、時間をかけてご自身の人生や家族のことを振り返りながら、慎重に言葉を選ばれます。その丁寧に時間をかけた想いが、後にご家族にとっての心の支えとなることを何度も目にしてきました。

一方、相続手続きには期限やスケジュールもあり、「時間を上手に使う」ことが求められます。必要な書類を効率よく整え、手続きをスムーズに進めることで、残されたご家族の負担がぐっと軽くなるのです。

このように、業務の中にも、「時間をかけること」と「時間を使うこと」のバランスが大切だということを日々感じています。

さいごに

時間は、誰にとっても限られたものです。
学生の頃、ドラクエや桃鉄に意味もなく夢中になって、気がつけば何時間も過ごしていたことがありました。(ちなみに、ドラクエのテーマ曲が我が中央大学校歌に聞こえるのは私だけ?)
歳を重ねた今、無意識に自分の残り時間を逆算することがあります。
だからこそ、「どう使うか」だけでなく、「どんなふうにかけるか」も、大切にしていきたい。
日常の中で、「時間をかける」ことを恐れず、「時間を使う」ことに追われすぎず、そのバランスを探りながら、今日という一日を、できるだけ丁寧に過ごしていきたいと感じています。

相続対策は事前準備が大切です。お早めにご相談下さい。

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この記事を書いた人

栗田 政和

栗田 政和

東京都府中市出身、現在は立川市内に在住。
中央大学法学部卒。
大学卒業後、住宅メーカーに32年勤務した後独立し、
行政書士栗田法務事務所を開業。
現在は行政書士兼相続コンサルタントとして、
立川近郊の相続問題に悩む方の助けになるべく奮闘中。
趣味はバイクツーリング、温泉巡り、幕末歴史小説、プロ野球観戦。