相づちは、会話の中で相手の話にタイミング良く返す言葉や仕草のことですが、上手に使うことで、会話がスムーズに進行したり、相手との関係が良好になったりする効果があります。今回は「相づち」についてのお話しです。
相づちの種類と役割
相続の場面では、家族や親族間でのコミュニケーションが重要です。しかし、感情的になりやすい話題であるため、誤解や摩擦が生じやすいのも事実です。
そのようなときに、相づちはコミュニケーションを円滑にする役割がいくつかありそうです。役割を整理してみます。
・共感の相づち:相手の気持ちに寄り添い、共感を示す相づちです。例えば、「そうだったんですね」「大変でしたね」といった言葉や、うなずき、微笑みなどの仕草です。相続の場面では、遺族が心情を語る際に共感の相づちを送ることで、話しやすさや信頼感が生まれます。
・理解の相づち:相手の話を理解したことを示す相づちです。例えば、「なるほど」「そうですね」といった言葉や、目を見て話を聞く姿勢です。相続の場面では不安や疑問を解消する手助けになります。
・質問を促す相づち:相手にさらに話を引き出すよう促す相づちです。例えば、「それで、どうされますか?」「他に何かありますか?」といった言葉や、興味を示す仕草です。本質を理解することに繋がります。
相づちの効果
相手が話しているときに適度に相づちを入れることで、話を聞いていることや理解していることが伝わって、会話がよりスムーズに進行し、信頼関係を築き、安心して話せる雰囲気を作ることができます。
・共感を生む力:相手の話に対して共感を示すことで、相手との信頼関係を築き、安心感を与えることができます。
・会話の円滑化:相手の話を理解しようと積極的に相づちを打つことで、スムーズな会話の流れを作り、誤解や摩擦を防ぐことができます。
・主体性を尊重する:相手の発言に対して適切な相づちを使うことで、相手の話に耳を傾け、尊重している姿勢を示すことができます。
・感情的な状況を和らげる:相手の感情に寄り添う相づちを使うことで、緊張や不安などの感情を和らげ、落ち着いた雰囲気を作ることができます。
相づちと共感
相づちは、相続の話し合いや手続きの中でも重要な役割を果たします。相づちによって共感が伝わります。共感とは、相手の気持ちや立場を理解することです。相続の場合、家族や親族との関係が深くかかわってくるため、相手の気持ちを理解し、共感することがとても大切です。
共感が安心感を生み、信頼を生むことに繋がります。 多くの場合、相づちは無意識にしていますが、役割を意識することで、よりコミュニケーションを円滑にしたいものです。
さいごに
「相づち」の由来は、鍛冶職人の仕事が由来のようです。昔、鍛冶職人は二人一組で作業をしていました。一人が大きな槌で鉄を打ち、もう一人が「向かい槌」と呼ばれる小さな槌でタイミングを合わせて鉄を叩きました。この「向かい槌」が、相手の話に合わせてタイミング良く返す「相づち」の語源となったと言われています。