信用すること、信頼すること

最近、アドラー心理学の本を読んでいて、「相手を信頼する」という言葉が心に残りました。

その中では、「信用」と「信頼」は、似ているようで意味が異なるものとして説明されていました。

普段は何気なく使っている二つの言葉ですが、改めて考えてみると、人との向き合い方にもつながる違いがあるように感じます。

今回は、信用することと信頼することの違いについて考えてみたいと思います。

信用は実績の積み重ね

信用とは、これまでの実績や行動をもとに、「この人なら大丈夫だろう」と判断することです。

約束を守ってきたこと。
仕事に誠実に取り組んできたこと。
必要な知識や経験を積み重ねてきたこと。

そうした一つひとつの積み重ねが、信用につながっていきます。

仕事を任せたり、何かをお願いしたりするときには、相手のこれまでの実績や経験を確かめることも必要です。

信用は、仕事や人との関わりにおいて、欠かせないものだと思います。

では、信頼は、信用とどのように違うのでしょうか。

信頼とは、過去の実績だけで判断するのではなく、相手を一人の人として尊重し、その人の考えや可能性も含めて向き合うことなのだと思います。

信頼と期待は同じではない

相手を信頼していても、考え方が違うことはあります。

期待していた返事が返ってこないこともありますし、こちらが思い描いていたように物事が進まないこともあります。

そのようなとき、

「これだけ信頼したのだから、こうしてくれるはずだ」
「こちらが誠実に接したのだから、相手も同じように応えてくれるはずだ」

と考えてしまうことがあります。

けれども、その思いは、信頼というよりも、相手への期待や要求に近いものになっているのかもしれません。

その人がどのように考え、どのように行動するかは、その人自身が決めることです。

こちらが信頼していても、必ずしも期待したとおりに応えてくれるとは限りません。

信頼することは、相手を自分の思いどおりに動かすことではなく、その人の考えや選択を尊重することなのだと思います。

相談者の選択を支える

相続や終活のご相談では、まず、その方のお話を丁寧に聴くことから始まります。

これまでの経緯やご家族への思い、これからどのようにしたいのかを伺います。

同じように見える相談でも、置かれている状況や大切にしたいことは、一人ひとり異なります。

専門家として、その方の状況に応じて、考えられる方法や選択肢をお伝えします。

こちらの考えを押しつけるのではなく、一緒に状況を整理し、それぞれの方法を検討しながら、ご本人が納得して選べるよう支えていきます。

相談者を信頼することは、こちらの提案どおりに進めてもらうことではありません。

その方の思いや考えを尊重しながら、ご本人が納得できる方向を一緒に探していく。

私自身、相談をお受けする中で、大切にしていることです。

さいごに

相手を信頼することは、その人が必ず自分の期待に応えてくれると考えることではありません。

人には、それぞれの考えや選択があります。

自分が思っていたのとは、違う選択をすることもあります。

それでも、相手を自分の期待に当てはめるのではなく、その人自身の考えを尊重して向き合うことが、信頼するということなのだと思います。

私自身も、信用と信頼の違いを意識しながら、相手の考えや選択を尊重する姿勢を大切にしていきたいと思います。

相続対策は事前準備が大切です。お早めにご相談下さい。

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この記事を書いた人

栗田 政和

栗田 政和

相続・遺言・成年後見を中心に業務を行っている。
住宅メーカーに32年間勤務した後、2022年に行政書士栗田法務事務所を開業。
相続や終活に関する相談において、手続きだけでなく、ご家族の状況や思いにも配慮した支援を大切にしている。
東京都行政書士会立川支部理事、公益社団法人成年後見支援センターヒルフェ正会員。
趣味はバイクツーリング、温泉巡り、歴史小説、プロ野球観戦。