会社員だった頃、先輩から「オマエは時給が高いなぁ~」と揶揄されていました。残業しないからなのです。いつも残業をしないためにはどうすればいいのかを考えていました。
新人の頃の数年を除いて、残業も休日出勤も、した記憶が殆どありません。
今回のテーマは「忙しいを売りにしない」です。
いろいろな残業
コロナ禍や働き方改革によって、少しずつ仕事に対する考え方が変化していますが、平成の初めのころは、残業が当たり前だった時期がありました。18時定時なのに、なぜか19時からミーティングが始まったり、上司が帰らないので若手がなかなか帰れない雰囲気があったり。
もちろん、お客様第一ですので夜の打合せになることもありますし、現場のトラブルで至急対応すべきこともあります。そのようなお客様目線での残業は必要ですが、会社目線でのダラダラ残業にはいつも「?」でした。
人によっては、「忙しい」が口癖で、残業が大好きなかたもいらっしゃいましたので、残業を否定するつもりはありません。
36協定が厳格化される昨今では平成の頃と比べて残業に関する考え方は大きく変わりましたが、少なくともその頃から私は効果的に時間を使うことにこだわっていました。
効果的に時間をつかうこと
私にとっての「残業をしない=効果的に時間をつかうこと」は、当たり前のことですが、決して仕事に手を抜くことではありません。単純なことです。
例えば、
効率的に時間をつかうひとは、机がとても綺麗でした。しっかり整理整頓ができています。逆に「忙しい」ひとは、いつも机の資料を探しています。これをヒントに机の整理整頓に心掛けました。これによって、一日数分節約できました。一週間で数十分、一ヶ月で数時間の節約です。
例えば、
「忙しい」ひとは、月末に交通費の精算や月報の作成にいつも大変そうです。これをヒントに交通費の精算や報告書は数分だけ使って、毎日記入することにしました。これによって、手帳を見返して一週間前のことを思い出す必要がなくなりました。
例えば、
「忙しい」ひとは、積算ミスなどによる確認作業や決裁書の作成で忙しそうでした。住宅ではお客様に提出する見積書を作成するのに、数百ページに渡る積算価格表が存在します。ひとつミスるとお客様をはじめ、多くのひとに迷惑をかけることになります。時間も取られます。そこで、多少矛盾しますが見積もり作成だけは、たっぷり時間をかけることにしました。ほぼ半日、場合によっては丸一日、見積もりだけの時間を作ることによって、ミスは減り、トラブルがあったとしても原因究明に時間をかけずに対応できるようになりました。
例えば、
「忙しい」ひとは、お客様や近隣のかたからの苦情の対応に追われていました。そこで、常に先手で対応することを心掛けました。マイナス要因の発生の場合の可能性について、予め説明し、その場合の対応について説明することで、トラブルがあってもスムーズな対応ができ、そのことで時間を取られることが少なくなりました。
忙しいを売りにしない
今回のテーマの「忙しいを売りにしない」は、若い頃個人的に憧れていた、取引先の「超デキル人」の言葉です。
その人はどんなこともスムーズに素早く解決しますが、忙しそうにアタフタしている所を見たことがありませんでした。
ある日「忙しくないのですか?」と尋ねたとき、このように教えてくれました。
「忙しいかどうかは、本人の気持ち次第だよ。忙しいと感じた時点で心に余裕がなくなるし、そーなったら、相手に失礼だしね。」
「忙しい」は心を亡くす、と書くようです。
それ以来、仕事の打合せも飲み会のお誘いも「忙しい」を理由にお断りしないことが、私のモットーです。
さいごに
「あいつはいつも暇そうだ」は私にとっては讃辞です。
だからといって、手を抜くことではありませんのでご心配なく。