心に残るCM

普段、何気なく見ているテレビでなぜか心に残るCMのコピーが時々あります。

私にとって、その後のお客様に対する姿勢を変えるきっかけになった強烈に印象深いCMがあります。

誰もが知っている、あのCMです。

今回は、心に残るCMのお話しです。

仕事の姿勢を変えたコピー

住宅の営業マンだった頃、接客の意識が変わったきっかけがありました。

それは、上司からのありがたいお言葉ではありません。

それは、著名なコンサルタントの自己啓発本でもありません。

それは、テレビで流れていたCMのキャッチコピーでした。

「クルマはつくらない、クルマのある人生をつくっている」

このキャッチコピーはメルセデスなどの輸入車を販売する「ヤナセ」が創立100周年の際のスローガンとして発表したものです。

それまでは「いいものだけを世界から」が印象的でしたが、新しいスローガンは、様々な見え方ができます。

当時、ヤナセの社長がインタビューでクルマについてこのように答えています。

クルマは大きくわけて3つしかない

・趣味のくるま

・生活の足としてのクルマ

・その両方を満たすクルマ

そして、クルマは命を預ける商品だということをインタビューの中で語っています。

自分なりの解釈

トヨタをはじめとする自動車メーカーと違って、クルマの生産をしないからこそ、その先のお客様の人生にスポットをあてたスローガンなのだと思います。

クルマを作らない会社が「クルマはつくらない・・・」って、開き直っているという批判も聞こえそうです。

しかし、顧客に対する姿勢を言語化することに意味があるような気がします。

クルマを作らないからこそ、クルマを通じて顧客の人生が豊かになるための価値を提供することが、その企業の姿勢だとしたら、まさに、このスローガンそのものです。

お客様との向き合い方

物の価値を伝えることは大切な事です。

当時、住宅の営業として、自社の住宅の性能をお客様に伝えることがとても重要だと考えていました。

地震、台風、水害などの自然災害に備えるための強度や性能を数字で示すこと。断熱性能を示すことで快適で省エネな暮らしをおくることが出来ること。空調システムによって健康的で快適な暮らしをおくることが出来ること。将来に向けてメンテナンス費用がかからないこと。など、住宅を検討するお客様にその性能をお伝えすることは確かに大切なことです。

しかし、お客様の住宅を検討する用途は様々です。

老朽化した住宅の建て替え、分譲地などでの新たな住まい、土地活用としての賃貸住宅など、いろいろな用途があり、その目的はそのお客様やご家族にとって千差万別です。

だからこそ、物の価値を伝えることと同じくらいに、いや、それ以上にその先の価値を伝えることが大切です。

そのかたにとってより大切なことは、住宅は手段であって目的ではないということを、意識して向き合うことです。

この一見当たり前のことが、現場ではおざなりになりがちです。そのようなときに、このCMのコピーがきっかけになり、お客様との向き合い方が変わりました。

その人にとって、住宅を手にすることそのものが目的なのではなく、住宅を手にすることでその後の人生をどのように豊かにしていくのかが、本当に大切なことなのだと。

まさに、「クルマはつくらない、クルマのある人生をつくっている」です。

さいごに

このことは、営業職を離れた今も強く意識しています。

私の仕事は、目に見える商品を扱うものではありません。

お客様のサポートにおいて、手続きそのものが目的なのではなく、手続きの先にあるそのかたや、そのかたのご家族に目を向けることで、本質が見えてくるものです。

「・・・のある人生をつくっている」常に心掛けたいものです。

相続対策は事前準備が大切です。お早めにご相談下さい。

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この記事を書いた人

栗田 政和

栗田 政和

東京都府中市出身、現在は立川市内に在住。
中央大学法学部卒。
大学卒業後、住宅メーカーに32年勤務した後独立し、
行政書士栗田法務事務所を開業。
現在は行政書士兼相続コンサルタントとして、
立川近郊の相続問題に悩む方の助けになるべく奮闘中。
趣味はバイクツーリング、温泉巡り、幕末歴史小説、プロ野球観戦。