どう伝えるかの前に何を伝えるのか

私たちは日々、さまざまな手段でコミュニケーションを取っています。会話やメール、SNSなどの手段が増える中で、言葉の選び方や表現にばかり意識が向いてしまいがちです。しかし、本当に大切なのは「どう伝えるか」ではなく、「何を伝えるか」です。
伝え方にこだわりすぎて、肝心の内容が曖昧であれば、相手に正確に伝わらないこともあります。今回は「何を伝えるか」の大切さについて考えてみたいと思います。

伝える内容の重要性

コミュニケーションとは、単に情報をやり取りすることではなく、思いや意図を伝えるものです。いくら言葉をうまく選んでも、伝えるべきメッセージが明確でなければ、相手には正しく伝わりません。
友人や家族、あるいはビジネスでの会話でも、言い回しが丁寧であっても、核心部分が不明確だと相手に正確には伝わりません。大切なのは、言葉そのものではなく、本当に伝えたい思いです。内容がしっかりしていれば、多少言葉の選び方が不十分でも、その意図は相手に伝わるものです。

相手の立場に立って考える

「何を伝えるか」を考える際には、相手の立場や状況を理解することが重要です。相手が何を求めているか、どんな情報が必要かを考えることで、メッセージの内容が明確になります。
たとえば、仕事で提案を行うとき、相手のニーズを理解していれば、それに応じた内容を提案することができます。しかし、相手のことを考えずに話を進めると、どれだけよく練られた提案でも響かないことがあります。

相続における本質

相続のご相談を受ける際、相談者の方が法的な手続きに気を取られすぎて、本来伝えるべき家族への思いが後回しになっていることがあります。遺言は家族に対する最後のメッセージであり、家族がこれからどのように生きていくのか、その道しるべとなってほしいものです。
相続に関する手続きのサポートを行う際、法律に沿った遺言書や相続の手続きが重要であることはもちろんですが、それと同時に、ご相談者に「何を遺したいのか」を考える機会を提供することも大切だと考えています。ご相談者が家族に伝えたい思いを整理し、それを形にするお手伝いをすることが私の役割だと思っています。

伝え方よりも内容を磨く

時には伝え方にばかり意識を向けてしまうことがあります。しかし、どんなに表現が巧妙でも、伝えるべき内容が不明瞭であれば意味がありません。
一方で、伝え方が多少不十分でも、内容がしっかりしていれば、相手にメッセージが伝わります。だからこそ、まずは「何を伝えるか」を深く考え、その内容を磨くことが重要です。

自分自身と向き合う

「何を伝えるか」を考えることは、単に相手にメッセージを送る行為だけでなく、自分自身と向き合う時間でもあります。相続においても、自分が家族に何を遺し、どのような思いを伝えたいのかを深く考えることが大切です。これにより、相続は単なる法律手続きではなく、家族の未来を守るための大切な行為となります。

相続における「何を伝えるか」の重要性

相続の場面では、手続きや法律がどうしても前面に出がちですが、それ以上に重要なのは、家族に対するメッセージです。財産の分け方や法的な手続きを整えることはもちろん大切ですが、それよりも「何を伝えたいのか」をしっかり考えることが、家族にとっても相談者自身にとっても大きな意味を持つのです。
相続や終活を考える際、まずは「何を伝えたいのか」を見つめ直す時間を持つことが重要です。その思いを形にすることで、相続は家族の未来を守るためのプロセスとなり、単なる手続きではなくなります。

さいごに

最近、「マルハラ」という言葉が話題になっていますが、世代によっては理解しにくいかもしれません。それでも、どう伝えるかよりも、まず何を伝えるのかを優先して考えることが大切だと感じます。

相続対策は事前準備が大切です。お早めにご相談下さい。

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この記事を書いた人

栗田 政和

栗田 政和

東京都府中市出身、現在は立川市内に在住。
中央大学法学部卒。
大学卒業後、住宅メーカーに32年勤務した後独立し、
行政書士栗田法務事務所を開業。
現在は行政書士兼相続コンサルタントとして、
立川近郊の相続問題に悩む方の助けになるべく奮闘中。
趣味はバイクツーリング、温泉巡り、幕末歴史小説、プロ野球観戦。