三浦しをんさんの小説「舟を編む」は、言葉の大切さについて考えさせてくれる作品です。映画化もされているこの作品ですが、先日からNHKでこの小説のドラマが始まりました。これを機に「言葉」と向き合ってみるのもいいかも知れませんね。
今回は、「言葉」についてのお話しです。
「舟を編む」について
この小説は、出版社で大型辞書「大渡海」の編さんに携わる人々を描いた作品です。
「言葉」に強いこだわりを持つ主人公が辞書編集部で辞書を作る過程で言葉一つひとつに込められた思いや歴史、文化に触れながら、辞書づくりに情熱をそそいで行く物語です。 言葉は人を傷つけることもあるけれど、同時に人を励まし、勇気づけることもできる。言葉の大切さを考えさせられます。
言葉の奥深さ
言葉には、単なる意味を超えた力があります。言葉は、ときに人の心を動かします。
「ありがとう」という一言。 これは、感謝の気持ちを伝える言葉ですが、同時に、相手との繋がりを感じさせてくれる言葉でもあります。
「ごめんなさい」という一言。 これは、謝罪の言葉ですが、同時に、相手との関係を修復しようとする意志を表す言葉でもあります。
言葉の力
言葉は、人を傷つけることも癒すこともあります。 悪意のある言葉は、人を深く傷つけ、心を閉ざさせてしまいます。一方、優しい言葉は、人を癒し、勇気づけることができます。
言葉は、人を繋ぐ力を持っています。 言葉によって、お互いの考えや気持ちを共有することができます。
言葉は、人生を豊かにする力を持っています。 言葉によって、新しいことを学び、成長することができます。
言葉を噛みしめる
「言葉を噛みしめる」とは、言葉の意味や響きや文脈などをじっくりと味わうことです。それは、言葉の持つ力を最大限に引き出します。
一つの言葉の中には色々な想いや感情が含んでいます。
美しい景色を見たとき、その景色を「美しい」という言葉で表現します。しかし、言葉を噛みしめることによって、「きれい」、「壮観」、「心洗われる」など、伝えたいひとに、より伝えたい言葉を見つけます。
誰かに感謝の気持ちを伝えたいとき、「ありがとう」という言葉で表現します。しかし、言葉を噛みしめることによって、「感謝しています」、「助かりました」、「これからもよろしくお願いします」など、伝えたい人に、より伝えたい言葉を見つけます。
・・なんて
言葉の使い方によって、自分の気持ちが反対の意味で伝わってしまうこともあります。
ドラマの中で、主人公の一人が「私なんて」と謙遜します。片付けがうまいと褒めてくれた上司には「誰にでも出来ます、片付けなんて」と。会話中にカメラをいじっている彼氏に「カメラなんて後にして」と注意します。
「なんて」は、さまざまな感情や強調を表現する副詞です。具体的には、以下のような意味や使い方があります。
・驚きや感動を表すときに使う:「なんて美しい景色だろう」「なんて優しい人なんだ」「なんて素晴らしい歌声だ」
・驚きや感動を強調する:「なんて速いんだ」「なんて簡単な問題だ」
・非難や批判を表す:「なんてずるいやり方だ」「なんて言っているんだ」
・程度や範囲を表す:「なんて大きな声で叫んでいるんだ」「なんて遠くまで歩いたのか」
・感嘆や詠嘆を表す:「なんて美しい花だろう」「なんて幸せな瞬間だ」
さいごに
相手に本当の気持ちがちゃんと伝わっているのか、しっかり「言葉」と向き合うことが大切です。
ご相談のときに「○○が・・・と言っていたんだ」という場面があります。ミスリードにならないためにも、その本当の言葉の意味を理解するように心掛けたいものです。
ドラマの中のセリフです。「どんなに尽くしても伝わらないこともあれば、たった一つの言葉で千も万も伝わることもある。全く意図していないことを言葉が勝手に伝えてしまうこともある。悪いのは言葉ではありません。使い方と選び方です。」