多くのひとが若い頃アルバイトをした経験があると思います。
私も学生の頃、たくさんのアルバイトを経験しました。
喫茶店、イベント会社のスタッフ、スキー場など、多種多様でした。
そして、人生初のアルバイトは高1の冬休みでした。
今回は、「はじめてのアルバイトのおはなし」です。
バイト探し
高校1年のとき、普段は部活でバイトする時間などありませんでしたが、冬休みを利用してバイトすることにしました。
駅の売店で、anやフロムエーを100円で買って地域別、業種別に目を皿のようにしてチェックします。
少しでも時給が高いほうが良いのですが、まだ社会経験のない16歳。どのような仕事なのかも分からないまま、面接に臨んだのはお寿司屋さん。
理由は、新宿の高層ビルの中にあってお洒落で時給も高く、お寿司が食べられるかも。何とも稚拙ですね。
運良く採用され、冬休みのバイトが始まりました。
新宿高層ビル
ドキドキしながらの初出勤。新宿西口の高層ビルの1階です。制服が用意されて、白いワイシャツに赤いネクタイをします。ネクタイの締め方が分からない私に若い板さんが手伝ってくれます。
貫禄のある店長、数名の板さん、ホール主任、大学生のバイトのみんなに可愛がってもらいながら、ホールの仕事を覚えました。
あれから約15年後、この高層ビルの41階のオフィスで仕事をするとは、このときは夢にも思っていませんでした。
夜の銀座
しっかり仕事を覚えた私に、春休みに銀座店を手伝ってもらえないかと本社スタッフから打診を受けます。新宿と比べて自宅からは少し遠くなるけれど、「銀座」に惹かれて快諾し、高2に進級する春休みは銀座にご出勤です。
ここでも店長さんやスタッフみんなに可愛がってもらいました。
新宿店との一番の違いは、ホールの仕事だけではなく、出前の仕事があることです。お寿司屋さんなのだから出前があっても普通ですが、ここは銀座です。
銀座のクラブやスナックに毎晩特上寿司をお届けします。16歳の少年はどこへ行っても大人気。ママさんから翌日の出前のご指名を受けることも。
何よりも、数寄屋橋通り、みゆき通り、電通通りから裏道まで、夜の銀座を精通していた高校生は私が一番だったと自負しています。
あれから約30年後、毎週のように銀座のクラブを徘徊するとは、このときは夢にも思っていませんでした。
吉祥寺PARCO
高2に進級し、普通の高校生に戻りましたが、学校帰りの週2回、バイトを続けることになりました。
今度のお店は吉祥寺店です。
新宿店で可愛がってくれていた板さんが、吉祥寺店の店長に昇格し、声を掛けてくれたのです。
高校からも遠すぎず、当時最先端のファッションビル「吉祥寺PARCO」ですのでもちろん快諾です。
新宿、銀座と全く違う客層で驚きます。ファミリーやカップルがメインです。仕事もホールの他に板さんの仕込みの手伝いも任されるようになりました。
大学受験を意識するまでの約1年、バイトは日常の中に組み込まれました。
そして今、やっぱりお寿司はカウンターですね。お寿司の作法もちゃんと守ります。そして日本酒といっしょにいただきます。
社会の縮図
新宿、銀座、吉祥寺のお寿司屋さんでのアルバイトで、未熟ながらも社会の縮図を垣間見ることが出来ました。
店長がいて、板さんがいて、ホールスタッフがいて、それぞれの役割があってチームとしてお客様にサービスを提供する。
板さんは年齢ではなく、その経験によって上下の序列がある。店長はその店ではトップだけど、その上に本社スタッフがいる。
部活の先輩後輩の関係とは全く違う大人の世界です。
そして、人と人との繋がりの大切さを学びました。
さいごに
当時、アルバイトが校則で許されていたか否かは定かではありませんが、私服、茶髪、パーマも(バイクも?)OKの自由な校風が自慢の都立高校でしたから、おそらくバイトもOKだったと勝手に信じています。
このお寿司屋さん、今もあるのか検索してみました。銀座、赤坂、羽田空港など、健在です。今度行ってみようかな。