人生初めての契約のおはなし

令和5年初投稿は、「人生初めての契約のおはなし」です。

私は大学卒業後、住宅メーカーに就職しました。時代はバブルの真っ最中。

1990年4月、バブル入社組です。

配属は営業。アパート、マンションなどの賃貸住宅を提案します。

賃貸市況、土地税制、金利動向など専門的な知識をもとめられる部署でした。

お問合せのお客様は、相続税対策、固定資産税対策の地主さんや賃貸経営者など様々です。

4月、5月の税金や建築の研修を終え、6月から営業開始です。

お客様からの問合せ

営業部は新宿西口の新しいビルの中のオフィスです。日経、朝日、読売などにアパートの広告を掲載すると、毎日のようにお客様から電話問合せがあります。

新宿の営業部ですから、お問合せのほとんどが都内の方です。お客様とアポイントがとれると、新入社員は先輩と同行してもらいます。建築地の現地調査や市場調査なども先輩に教わりながら覚えていきます。

そんな中、私が受けた問合せは千葉県の方でした。当時、東京駅から特急で2時間、そこからタクシーで30分近くかかります。遠方のため、同行してくれる先輩はいなかったため、現地調査から打合せまで新人の私一人です。

2ヶ月間の研修で教わった付け焼き刃の知識を駆使して、市場調査と設計図と収益採算表を作成して商談に臨みます。

お客様とのご契約のお約束

新宿の営業所から、片道3時間の商談は数回にわたりました。4回目の商談でそのお客様から、ご契約のお約束をいただくことができました。

なんと、2LDK10世帯の2階建てアパート2棟です。総額で約1億2000万円(まだ消費税導入前)。

当時、社内では半期で1億5000万円を超えると全国表彰ですので、驚くほどのビギナーズラックです。

そのアパートの計画は

そのお客様の職業は、ホテル経営です。そして、契約するアパートはホテルの建替えです。

国道沿いによくある、夜になるとネオンがキラキラの車で入る、あのホテルです。

その名は「ホテル騎士(仮称)」

長年のホテル経営を閉鎖して、業態をアパート経営にシフトするとのことでした。

時代はバブル、成田空港や東京ディズニーランドで注目の千葉ですから、銀行融資も収益見込みも見通しがついての契約のご決断です。

契約締結日の怪しい会話

新人が契約の約束を取り付けたということで、営業部は大騒ぎ。

当然、新人一人で契約締結は厳しいので、営業課長が同行することになりました。

契約日当日、いつものように特急の最寄り駅で下車し、タクシーに乗り込みます。

初めての契約です。ドキドキです・・・

私:(運転手さんに)国道○○線沿いの「ホテル騎士」まで

運転手:(不思議そうに振返る)はい

―緊張して無言の私―

課長:栗田、緊張しているのか?

私:はい

課長:今日が初めてか?

私:はい

課長:大丈夫、私に任せなさい。

私:はい、よろしくお願いします。

―(運転手)ミラー越しに変な顔で私と目が合う―

課長:頑張ろうな!

私:はい

―タクシー、「ホテル騎士」に到着-

私:(運転手さんに)中まで入ってください。

-タクシー、入り口のビニールのビラビラをくぐって到着-

課長:よし!気合い入れて頑張ろう!・・・

そして、領収書をもらってタクシーを降り、契約締結に、管理棟に向かうのでした・・・

さいごに

契約締結後、タクシーの領収書に電話して、同じタクシーに来て貰いました。

駅までの車内、緊張から解放された私に

課長:よかったなぁ!

私:はい

課長:今日は一生の思い出になるなぁ

私:はい、ありがとうございました。

これが私の人生初の契約のエピソードです。そしてタクシーの運転手さんのミラー越しの目が忘れられません。まさに、一生の思い出です。

H課長、元気かなぁ。

相続対策は事前準備が大切です。お早めにご相談下さい。

✉ お問合せフォーム

☎ 042-508-3031

この記事を書いた人

栗田 政和

栗田 政和

東京都府中市出身、現在は立川市内に在住。
中央大学法学部卒。
大学卒業後、住宅メーカーに32年勤務した後独立し、
行政書士栗田法務事務所を開業。
現在は行政書士兼相続コンサルタントとして、
立川近郊の相続問題に悩む方の助けになるべく奮闘中。
趣味はバイクツーリング、温泉巡り、幕末歴史小説、プロ野球観戦。